善光寺地震から学ぶ ~能登半島地震を受けて~
長野市立博物館 学芸員の原田 和彦氏による「善光寺地震から学ぶ」の講座が開催された。原田氏の専門は歴史学。特に平安時代の仏教、善光寺地震、真田家文書を用いた近世大名家「真田家」の分析を得意分野としている。被災資料の受け入れや保全も行っており、講座は2019年に長野市で発生した台風19号災害でも松代地区で歴史的文化財レスキューをしたお話しから始まった。
今年1月に起きた能登地震後も現地を訪れて、日本中から集まった学芸員と一緒に泥をかぶったり濡れたりした仏像、掛け軸、古文書を助け出す作業をしたこと、地震は「震源地」より「震源域」という広範囲で表現することが正しく、能登地震は石川県・富山県から新潟県の佐渡沖までを「ひずみ集中帯と地震発生地域」として捉え「能登地震」と「善光寺地震」は全く別のものであると考察された。
善光寺地震は『大日本地震史料』と『増訂大日本地震史料』を引用しながらお話しされ、江戸時代前の生々しい地震の記録が残っていなく古文書を紐解くしかないこと、地震発生地の歴史を遡って過去の被害をよく知ることの大切さを学んだ。
地震大国の日本にすむ私たちにとって大変貴重なお話しで、日ごろの備えは重要であると思った。