堀井正子の文学講座

10月13日、恒例の堀井正子先生の文学講座が終了しました。今回は「一茶の子宝」と題して~子宝がきゃらきゃら笑う~というサブテーマでお話を頂きました。一茶は54歳で最初の妻菊との間にできた長男「千太郎」を生後間もなく亡くしました。そして、2年後には長女「さと」が生まれます。一茶は「さと」がかわいくて仕方ありません。俳諧活動の傍ら大事に育てるのですが一年後文政2年6月21日に亡くなります。その時に詠んだ句が「子宝がきゃらきゃら笑う榾火(ほだび)哉」です。榾火とは「焚き火」の意味もありますが「荼毘(だび)」の意味もあります。私はこの話を聴いて後者の捉えが一茶の悲しみと2歳で昇天した「さと」の冥福を祈った句であろうと推察しました。65歳の生涯で5人の子宝に恵まれた一茶さんの境遇と人柄に魅せられました。同じ江戸時代を生き抜いた新潟出雲崎の良寛さんと対比しながら今後も資料を集めたいと思います。心に残る文学講座でした。

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